LSVT BIG & LSVT LOUD とは
アメリカのRamingらが考案したパーキンソン病に特化したリハビリテーションプログラムです。
LSVT BIG 運動障害に対する治療法(動きを大きくする訓練)
LSVT LOUD 発話障害に対する治療法(声を大きくする訓練)
パーキンソン病の症状と治療について
パーキンソン病の代表的な症状は下記の4つがあります。
- 身体の動きが遅くなる(無動・寡動)
- 手足がふるえる(振戦)
- 手足の筋肉がこわばる(固縮)
- 倒れやすくなる(姿勢反射障害)
そして上記のような症状の治療方としては主に3つあります。
- 薬物療法(L-ドパ)
- 神経外科的療法(DBS-STN)
- 音声および身体運動訓練
「身体の動きが遅くなる(無動・寡動)」という症に対して、治療法の一つの「音声および身体運動訓練」の役割を持った「LSVT BIG」と「LSVT LOUD」というリハビリテーションプログラムで症状を緩和し、機能の改善を目指します。
LSVT BIG の効果
研究では、治療を受けたパーキンソン病患者の運動機能の試験成績が改善したことや、治療終了後から16週間後も効果が維持されるなどの報告があります。
- 1つめの項目より大きな歩幅で、より速い歩行
- バランスの改善
- 体幹の回転量増加
- 寝返りなど日常生活動作の改善
- UPDERS運動系スコアの改善
(※UPDERS:The Unified Parkinsonʼs Disease Rating Scale パーキンソン病の臨床評価スケールのこと)
LSVT BIG の効果
パーキンソン病患者の音声及び、発話障害に対する治療法として、レベル1のエビデンスと有効性を確立され、その他の神経障害にも適用可能な初めての発話治療法。
- 治療の前後で比較すると、患者の90%で音声の大きさが改善
- 患者のおよそ70%が治療後12ヵ月から24ヵ月間にわたって治療による改善効果が維持。
ただし、脳深部刺激療法(DBS)を行なっている場合は効果が減少する場合がある。 - 全ての患者からコミュニケーション能力が改善したと報告されている
【訓練回数】
- 週に連続4日を4週間
- 1ヶ月に16回のセッション
- 1回60分のセッション
- 毎日の効果持続のための課題(月に30日)
- 毎日の宿題(月に30日)
- 個別訓練がない日は1日2回の宿題があります
下記の8つの適応基準に合うかどうか確認させていただきます
- パーキンソン病を有する方(ホーン&ヤール重症度I~III)
I度 障害は身体の片側のみで、日常生活への影響はほとんどない。
II度 障害が身体の両側にみられるが、日常生活に介助は不要。
III度 明らかな歩行障害が現れ、バランスを崩し転倒しやすくなる。なんとか介助なしで日常生活は可能。
IV度 日常生活の動作が自力では困難で、その多くに介助が必要。
V度 車椅子またはベッドで寝たきりで、日常生活では全介助が必要。
- 約1ヵ月間の入院が可能であること。または、通院で週4回(連続)×4週間+初期・最終評価の2回の合計18回の通院が可能であること
- 症状が安定していること(服薬の調整ができている方)
- リハビリや自主トレーニングに意欲的であること
- 医師の判断により、LSVTによる改善が見込めること
- 声掛けのもと、動作や声量の大きさに変化が生じること
- 当院の入院規定に同意できること
- 休日、家族または家族に準ずる人が自主トレーニングに立ち会うことが 可能なこと(困難な場合は、応相談とする)
※8つの基準に合う方のみ、LSVTが実施できます
※4週間の治療終了後は、1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後に外来にて状態確認をさせていただきます。
入院で受ける場合 |
医療費+入院費 約15万~16万円/月 |
特定疾患受給者証がある場合 |
約10~11万円/月 |
外来で受ける場合 |
保険料3割負担 16回の受診と訓練 53,136円 |
※特定疾患受給者証があり、負担限度額が決まっている場合はその限度額まで(1,000円~30,000円)
本治療法の詳細情報につきましては、お問い合わせフォームからお願いいたします
本治療は、基本的に約1ヵ月間の入院での治療とさせていただきます。
尚、入院費・入院規定等の詳細につきましては、当院パンフレットをご参照下さい。
外来での治療をご希望の場合は、応相談とさせていただきます。
医療法人社団 三誠会 北斗わかば病院
メールでお問い合わせをいただいた後、こちらからご連絡致します。
※医療関係者以外の電話でのお問い合わせはお受けできませんので、
一般の方は「お問い合わせフォーム」からご連絡下さい。