わかば通信 2025年1月号 

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わかば通信

わかば通信 2025年1月号

 新年のご挨拶 理事長・病院長 杉本昌宏 

あけましておめでとうございます。

2025年が皆様にとって素晴らしい一年になる事を心よりお祈りし申し上げます。

  • 2024年を振り返って

 地震などの自然災害、温暖化による連日の酷暑、働き手不足、価格高騰、コメ不足など社会的な問題が多い年であったと思います。
 特にこの地域では南海トラフ地震の発生確率上昇というニュースも流れ、備えに対する再認識が促されました。
 医療・介護業界においては、需要が増加するにも関わらず働き手は減っており、今後もその状況が悪化していくという予測に対してどう対応していくべきか悩みがつきません。
 明るいニュースとしては、認知症の原因疾患で最も多いアルツハイマー型認知症に対する新たな治療法ができた事が挙げられます。
 これは、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβという特殊なたんぱく質を除去するという治療法で、対象が発症早期に限られることや点滴に通わなくてはならない事、金額が高い事、脳出血や脳浮腫の副作用の問題なども有りますが、脳内に沈着した異常なたんぱく質を除去するという治療手法は画期的であり、今後はアルツハイマー型認知症以外の神経難病にも応用される可能性が有り、動向に注目しております。

  • 2025年を迎えて

 昨年のキーワードは、「コストパフォーマンスを意識しよう」、でした。
 特に時間の費やし方に意識を持つ事が重要と提案いたしました。あとからこれを、「タイムパフォーマンス( タイパ )」、と言われている事を知りました。
 医療・介護の現場においては、自分の為ではなく患者さんや施設利用者に対して時間を費やします。
 そのパフォーマンスを上げるというのは、節約をするという事ではなく、有効かつ価値のある費やし方をしてもらいたいという思いが有ります。背景として働き手不足問題がある事は前述の通りです。

 もう一つの側面としては、我々は相手の時間とエネルギーを消費させているという事です。
 例を挙げれば、私が外来で診療している時には自分の時間を費やします、しかし、一方で診察に来られた患者さんの時間を消費させているという事です。
 時間は補給することできないばかりか有限です。「時間」の貴重さ・価値を意識する事は、患者さんや施設利用者だけでなく、同じ職場で働く仲間の時間も尊重する事につながると考えております。

 更に、医療・介護領域にもデジタル化、そしてAI(人工知能)の活用をしなくてはならない状況が進んでくると思います。
 特にAIの進化は目覚ましく、不眠不休で働くことのできるAIやAI搭載ロボットに置き換わっていくとまで言われています。
 ただ、AIには限界があります。特に相手との感情的なつながりの構築においては、AIに置き換わる事は難しいと思います。
 相手の感情を推し量らい、それに共感と理解を示し、更には相手と感情的なつながりを持つ事が重要だと考えます。
 デジタル化が進んでいく中で、この事を胸に刻んで日々の仕事に臨みたいと思います。
 

 以上で新年のご挨拶とさせて頂きます。



  • POSTED at 2025年01月10日 (金)